キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。
迎えたくなかった明日に到達したみたいだ。
畳の部屋。まだ見慣れない机や椅子、タンス。昨日初めて見た光景だ。
起き上がって机の上に置いていたスマホを見ると、九月二日に日付が変わっていた。
そして姿見の前まで移動した。鏡に映る私は、やはり綾瀬美樹のままだ。どうやら私はまた綾瀬美樹として生きながらえてしまったらしい。
過去にいるから"生きながらえた"という表現が正しいのかは、わからない。
ため息を吐いた。また一日が始まる。押入れの襖を開けて、かけてある制服を見た。学校になんて、行きたくないのに。
理香子ちゃんに会いたくない……。
問い詰められたって、話せることなんてないのだから。
話したっていいのかもしれない。けれどすぐ信用できるようなことじゃない。頭がおかしいと思われたってしょうがないようなことが起きているのだ。
夢なら、長すぎる。もういい。こんな意味のない夢。
「…………」
部屋着を脱いで、下着姿のまま上半身をくねらせる。姿見で自分の左の肩甲骨を見た。
数字が"4"と"9"から、"4"と"8"に変わっている。
やっぱり、これって、カウントダウン……なのかな?
私が自殺する日までのカウントダウンだと仮定するなら、この数字がゼロになるまで私は生きなきゃならない……?
気が遠くなる。
自殺したというのに、あと一ヶ月半も生きなきゃならないのか。