キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。
小さな身体に病気を抱える子供たちにとって、隼人くんは優しい光のような存在なんじゃないかな。
私にとっても、そのように感じるのだから。
時間をかけて各病室をまわったあと、下の階にある食堂にふたりで向かった。
「ここのカツカレー美味しいんだよなぁ」
「じゃあ私カツカレーにしようかな」
「俺も」
ふたりでカツカレーを頼んだ。隼人くんは大盛りにしていた。
午後三時過ぎ。お昼どきを過ぎた食堂は人も数人しかおらず、席を選ぶことができた。
ふたり向かい合って窓際のテーブル席に腰を下ろす。
手を合わせていただきますをして、ルーと白米をスプーンで掬ってぱくっと食べた。
「美味しい……!」
「だろ?」
「ふふふ。うん!」
隼人くんと食べているということも、「美味しい」という意味に含まれているのだけど、隼人くんは気づいてくれているかな。
私は隼人くんといるだけで、とても楽しくてしょうがない。
幸せで、しょうがない。
「でも今日はゆりがいてくれて助かったよ」
「え?」
「ずっと重たい荷物持たせててごめんな。疲れたろ?」
病室を隼人くんがまわっている間、くるときに背負っていたリュックを預かっていた。
それが見た目よりもだいぶ重くてびっくりしたのは確かなのだけど。
「ううん、大丈夫。それより隼人くんの手品をたくさん近くで見られて私も幸せな気分になったよ」
「本当?」
「うんっ」