キミの生きる世界が、優しいヒカリで溢れますように。
隼人くんの夢を確かに身近に感じられた。
今日は、本当に特別な一日だった。
「……本当はさ、もうここに来るのはやめようと思ってたんだ」
「どうして?」
スプーンを置いた。隼人くんもだ。
トレーに乗っている水の入ったコップを取って、一口飲んだ。
「うん……たまにさ、前に来たときにいた子がいなかったりするんだよね」
「…………」
「次はあのマジックまたやってねって言われて、僕も嬉しくて快く約束するんだけど……叶えられないまま、会えなくなることも少なくない。その度に苦しくなっちゃって……もう来るのはよそうって考えてた」
悲しい笑顔。口元を無理に持ち上げて、憂いを含んだ目線、瞳。私まで、悲しくなる。
生きたくても、生きられない人がいる。
そのことを知っている人が目の前にいる。
そして、自らの手で命を手放した私が、いる。
「助けられないんだ。俺には。生きたくても、生きられない人を」
「それは……」
「ゆりのことだって同じだ」
「違うよ。それに、私は助けてもらったし……」
「違わないよ。ゆりも、生きたくても、生きられなかった人でしょ?」
心の奥底を揺らされた。真っ直ぐ見つめる瞳は、私の目を捉えて離さない。
私は……。
「……っ……」
確かに。生きたかったよ。本当は。
いじめられない人生のなかで、生きたいと願っていた。
けれど叶わなかった。いじめは終わらなかった。
私も、生きたくても、生きられなかった人……?