Hold me 副社長の瞳と彼女の嘘
『返事だけで結構です。仕事以外の件ですか』
その言葉に、驚いて友梨佳は目を見開いた。
「あ……はいそうです」
何とか返事をすると、
『携帯番号を教えてください』
それが自分の番号と認識するまでに少し時間を要したが、慌てて番号を伝えた。

『わかりました。では失礼します』


(え……?)

いきなりツーツーという機械音が聞こえて、友梨佳は受話器を見つめた。

(あんなに勇気を出して電話したのに!)

怒りが湧いてきたところで、携帯にメッセージが来たことが伝えられた。

【21時 ウィンストンホテル35階のバーで。予定があったら連絡してください 村瀬】

その文字に驚いて友梨佳は目を丸くして、もう一度文を読んだ。

(氷の男とバー?それもホテルの?)

なぜかゾクッとして、友梨佳は背筋にが冷たくなるような感覚がして頭を振った。

【わかりました】

それだけを返信すると、友梨佳は残っていた仕事を片付け始めた。


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