Hold me 副社長の瞳と彼女の嘘
「そういうお前は?今幸せなの?」
「え?」
急に自分の話題を振られ、急に酔いも覚め友梨佳は言葉を濁した。
「その様子じゃ、幸せな恋愛をしてる感じはないな」
「別に、私には必要ないから」
俯いていった友梨佳に、
「それなのに友達や新郎新婦には一生懸命だな」
ふざけたような言い方でもなく、からかうような言い方でもない始の言葉に、友梨佳はチラリと目線を隣に向けた。
「それは……。幸せになりたいって思う人には全力でサポートしたいし、幸せになって欲しい」
「お前は幸せになりたくないの?」
グッと唇を友梨佳は噛み締めると、言葉を選びながら、
「私は……愛なんて信じない。いつか絶対に裏切るものでしょ?永遠の愛なんて……存在しない」