Hold me 副社長の瞳と彼女の嘘
(しまった……ブライダル業界の人間が、上司に向かって何を宣言しちゃってるの……)
内心慌てて、どうしようと考える友梨佳の予想に反して、
「ふーん。そっか。じゃあ、いいじゃん。キスぐらい。「唇のキスは愛情のキス」そんな事信じてないだろ?」
そう言うと、さっきよりも長く落とされた始のキスに、友梨佳はなにも言えず呆然と始の奇麗な茶色の瞳に映る自分を見た。
「別にキスぐらいどってことないわよ」
友梨佳はなぜか悔しくてこんな時でも強がるしかない自分に、内心ため息をついた。
久々に感じた唇の温もりも、どんどん早くなる心臓の音も気づかないふりを必死ですると、目の前のワインを流し込んだ。
「ねえ、館長?社長ってお家が大変なんですか?」
脱線してしまった話を修正するように言った友梨佳に、
「ああ。過去にアイツは囚われてる。そこから抜け出さない限りアイツは自分を許さないし、幸せになろうとしない」
「それだと麻耶も幸せになれないってことか……」
泣きそうな表情をした友梨佳を見て、始は決意したように、
「そうだな。諦める訳にはいかな。俺も芳也を救いたい。俺にできることをしてみるよ」
そう静かに、真剣な瞳で言った始をゆくっりと友梨佳も見つめると、「お願いします」と頭を下げた。
内心慌てて、どうしようと考える友梨佳の予想に反して、
「ふーん。そっか。じゃあ、いいじゃん。キスぐらい。「唇のキスは愛情のキス」そんな事信じてないだろ?」
そう言うと、さっきよりも長く落とされた始のキスに、友梨佳はなにも言えず呆然と始の奇麗な茶色の瞳に映る自分を見た。
「別にキスぐらいどってことないわよ」
友梨佳はなぜか悔しくてこんな時でも強がるしかない自分に、内心ため息をついた。
久々に感じた唇の温もりも、どんどん早くなる心臓の音も気づかないふりを必死ですると、目の前のワインを流し込んだ。
「ねえ、館長?社長ってお家が大変なんですか?」
脱線してしまった話を修正するように言った友梨佳に、
「ああ。過去にアイツは囚われてる。そこから抜け出さない限りアイツは自分を許さないし、幸せになろうとしない」
「それだと麻耶も幸せになれないってことか……」
泣きそうな表情をした友梨佳を見て、始は決意したように、
「そうだな。諦める訳にはいかな。俺も芳也を救いたい。俺にできることをしてみるよ」
そう静かに、真剣な瞳で言った始をゆくっりと友梨佳も見つめると、「お願いします」と頭を下げた。