Hold me 副社長の瞳と彼女の嘘
その後、何度か友梨佳と始は仕事帰りに、芳也と麻耶の近況を話すために食事に行くようになった。
次の日が休みの月曜日の夜、友梨佳はいつものように、始と待ち合わせのためホテルのバーに足を踏み入れた。
始はまだ来ていないようで、先に案内されたカウンターにゆっくりと座るといつも通りお任せでカクテルを頼み、ぼんやりとカウンターの後ろの夜景を眺めていた。
35階という事あり、大きな窓の向こうには東京の夜景が広がっていた。
「悪い、待たせた」
急いできたのだろう、少し息を切らせた始の声を後ろから聞き、友梨佳は意識を戻すと振り返った。
「大丈夫です。急いで来なくても大丈夫でしたよ」
にこりと笑っていった友梨佳に、ホッとした表情を見せながら、始も席に着いた。
(ずるいな……あんまり会社で見せない顔を見せて欲しくない……)
そこまで思ってそう思った自分に驚いて、友梨佳は軽く頭を振った。
あのキス以来、どこか少しだけ自分の心に綻びが生じている気がして、友梨佳は自分自身の気持ちが怖くなった。
次の日が休みの月曜日の夜、友梨佳はいつものように、始と待ち合わせのためホテルのバーに足を踏み入れた。
始はまだ来ていないようで、先に案内されたカウンターにゆっくりと座るといつも通りお任せでカクテルを頼み、ぼんやりとカウンターの後ろの夜景を眺めていた。
35階という事あり、大きな窓の向こうには東京の夜景が広がっていた。
「悪い、待たせた」
急いできたのだろう、少し息を切らせた始の声を後ろから聞き、友梨佳は意識を戻すと振り返った。
「大丈夫です。急いで来なくても大丈夫でしたよ」
にこりと笑っていった友梨佳に、ホッとした表情を見せながら、始も席に着いた。
(ずるいな……あんまり会社で見せない顔を見せて欲しくない……)
そこまで思ってそう思った自分に驚いて、友梨佳は軽く頭を振った。
あのキス以来、どこか少しだけ自分の心に綻びが生じている気がして、友梨佳は自分自身の気持ちが怖くなった。