Hold me 副社長の瞳と彼女の嘘
車内で何も言わない友梨佳に、始も声をかけることなく、友梨佳のマンションに車を停めた。

「どうする?一緒にいてもいい?」
珍しく伺うような始の言葉に、友梨佳はだまって頷いた。

そして友梨佳の部屋に入ると、始はそっと友梨佳を抱きしめるとソファーに腰を下ろした。


始の腕の中でぼんやりと身体を預けて、友梨佳は言葉を発した。

「お母さん……再婚するって……」
「そうか」
優しく友梨佳の髪を撫でながら、始はそれ以上友梨佳に声を掛ける事はせずただ友梨佳を抱きしめていた。

どれぐらいそうしていたのだろう。
友梨佳はハッとして、始を見た。
友梨佳の頭を撫でながら、テレビをみる始に、
「ごめんなさい。急に呼び出して……」
ようやく落ち着きを取り戻し、自分のしたことを理解し、友梨佳は始に謝罪をした。

「いいよ。シャワー浴びてさっぱりしてこいよ」
その言葉に、友梨佳は頷くとバスルームへと向かい熱いシャワーを浴びた。

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