意地悪王子の溺愛は甘すぎて危険です!





「ここだ。さぁ、入って。」



「は、い。失礼致します。」



「そこに座って。」



王子の部屋より更に一回りほど広い部屋に通されフカフカのソファーに座らされる。



その隣に陛下が腰掛け、今度は私の手を包み込むようにギュッと握った。



「ヘレン、出来るならその力を今すぐにでも君から引き剥がしてやりたい。例えそれが君から全ての魔法を奪うことになったとしても、君が命を落とすかもしれないという危険性に比べれば」



「でも、それは出来ないんですね。」



「……あぁ。出来ない。」



2年前、元陛下から話を聞いた時よりずっと落ち着いてこの状況を受け入れている自分がいる。
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