意地悪王子の溺愛は甘すぎて危険です!
このアッシュベージュの髪色も母譲りだ。
「……今日ね、念願の任務につけたよ。ガイ王子がね、直々に私を指名してくれたの。」
写真の中の母は、特に動くわけでも簡単な相槌を打つわけでもなくただニコニコと笑ったまま。
それでも私には、楽しそうに私の話を聞いてくれているように見えた。
「頑張るね、私。だから見てて。……行ってきます、お母様。」
写真の母に背を向け自室を出る。
目指すはガイ王子の部屋だ。
ヘッポコでも、護衛として王子をお守りする。
それが私の任務だから。