意地悪王子の溺愛は甘すぎて危険です!
黒い喪服に身を包んだガイ王子の腕の中にいたのはリア王女。
リア王女の腕も、しっかりとガイ王子の背中へと回されている。
頭を鈍器で殴られたような衝撃をくらった。
「な、んで……」
ちょうど、ガイ王子と抱きしめあっているリア王女と目が合った。
してやったり顔で笑う彼女の口元が、
『ばーか』と動いた気がする。
……見て、いられなかった。
気づけば来た道を引き返していた。