意地悪王子の溺愛は甘すぎて危険です!
「行かなきゃ……。」
重たい体に鞭打ってなんとかベッドから起き上がる。
たったの1晩でこんなにも体をむしばまれているなんて
「とんだ怪物だわ、この力は。」
一歩一歩ゆっくり、進んでいく。
いつ痛みが来るか分からない。
その前に、早く行かなきゃ。
「あのバカ男、なにちゃんと扉閉めてんのよ。」
先程この部屋を出て行った兄上に軽く悪態をついて、
なんとか医務室の扉を開けた。