意地悪王子の溺愛は甘すぎて危険です!
「時間が、ない。」
心臓が激しく脈打ち、呼吸が激しく乱れる中で、
紡ぎだしたたったの一言。
その一言で、部屋の中の雰囲気がより一層張り詰めたものに変わった。
「フラン陛下、ディーヴァ王国の魔法師の力を駆使したとして、いったいどれだけ彼女の命を保つことができますか。」
「その質問に正確に答えることはできません、リア王女。」
「……悪魔の力が最も弱まるのは新月の晩。そうよね、レイ?」
「い、いかにも、左様でございます、リア王女。」
「ならば、その日まで彼女には生きていてもらわねばなりません。」