意地悪王子の溺愛は甘すぎて危険です!
三年前、国の誰もが恐れていた悪魔が絶滅した。
話を聞く限りでは、絶滅させたのは俺らしい。
あくまで、話を聞く限りでは、だ。
正直、全くと言っていいほど俺は覚えていない。
覚えていないというより、
三年前の4月から数ヶ月分の記憶が抜け落ちている。
気付けば俺は自分の自室で寝ていて、
気付かぬ間に国は焼け、悪魔は消えていた。
幸いにも、ステラ家の人間の魔法のおかげで
城下に住む大勢の民のうち犠牲者は一人も出なかった。