意地悪王子の溺愛は甘すぎて危険です!






「兄上は、彼女を知っていたんですか。」



「当たり前だ。国を救い、ガイ・セイクリッドを誰よりも愛した英雄だ。」



「俺を、愛した?」



「あぁ。お前も、彼女も。お互いを誰よりも愛していた。」



失われていた記憶がパズルのピースのように一つ一つ埋められていく。



「愛する彼女を救うために死んだお前を、彼女は自分が死ぬことでお前を救った。」



あの日、俺はヘレンと悪魔を絶滅させようとして、



その後爆発した炎から守ろうとして、それで



「お前が持っている錆び付いたチャームに全てその時の記録が残っていたよ。」
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