意地悪王子の溺愛は甘すぎて危険です!
* 2 *
ディーヴァ王国。
母が、母が大好きだった。
私と同じ髪色で、
いつも優しかった母が、誰よりも好きだった。
勉強をさぼって遊び呆けても、
ヤンチャして怒られた時も、
自身の病気が悪化して、辛く苦しい時も、
母はいつも私の見方だった。
私の髪をとかし、一つに結ぶのは母の役割だった。
いつも愛用のブラシでそっと髪をとかし、
綺麗なポニーテールに結ぶのは、私と母のお約束だった。