意地悪王子の溺愛は甘すぎて危険です!
* 3 *
むしばむ力。
「暇だわ、本当に。」
城下巡察の翌日の昼過ぎ。
昼食を済ました王子は一昨日と同様、
私を放って稽古へと出かけていった。
1人部屋に残された私は、
こうして窓辺に椅子を持ってきて城下の様子をただぼーっと見ている。
きっとこの部屋から城下を一望できるのは、
部屋の主がガイ王子なのと、この部屋の位置が城の中でも高い場所にあるからだろう。
「城内うろついてみるか。」