君に恋をして
ケンカと恋


もう何すんだよといって手を振りほどいた。
なんだよと彼もすかさず反抗していた。彼女と彼を見ていた男子クラスメイトがまた、夫婦けんかかよと言って
まわりのひとからも笑いが起こった。ちげーよ、ちがうよと彼と彼女は同時にいった。
キンコーンカンコーンとチャイムが鳴った。
もう知らねーからと言って彼女はカバンを持ってスタスタと教室を出て言った。
彼女の名前は、佐々木ミサ。高一で16さいだ。血の繋がっていない二つ上の兄がいて18で、働いている。2人は母親をすぐに亡くしている。父は、建設会社の社長をしていて、家に帰ってきたことは、ほぼない。そのため、ミサの面倒は兄が見ている。
彼の名前は、森こうきだ。ミサと同じく高一の16歳だ。
彼の母親は専業主婦で父親はIT企業の会長を務めている。みさとこうきはずっと喧嘩をすることが多かった。
おい、待てよと言って、カバンを持ち、ミサの後を追った。しばらくして、ミサに追いつき長い沈黙が流れた。こうきは、さっきはごめんといった。ミサは立ち止まり、腕を組んでもう、しょうがねぇな。許すよ。とはいったものの、まだ、怒っているようだ。
こうきは怒ってんじゃんと言ったが、ミサは怒ってないといって、こうきが怒ってるといい、ミサは怒ってない!といって2人ともフンと横を向いた。しばらくしてまた、ミサは歩き出した。歩きながらこうきはそういえば、今度の誕生日会いつあるの?と聞いた。ミサはまた、振り向き今週の日曜日だけど何?といった。俺もいっていいかなとこうきはいった。ミサはふーん、来れば?といって立ち止まり、ていうか、もう遅いしあんたと話してると日が暮れるからもう帰るじゃあなといって手を振り去っていった。こうきも家路を歩き出した。
そして、日曜日の夜。ミサの誕生日会が開かれた。兄が用意したホテルの小さなホールを貸し切って開いたパーティーだ。
みさは、招待した友達やクラスメイトがいて女子はドレス、男子はタキシードを着てビュッフェを楽しんでいた。
ミサは、黒のレースがあしらったドレスを着ていて、みんなからのプレゼントをもらっていた。
こうきがきて、はい、プレゼントと恥ずかしそうに少し嬉しそうにプレゼントを渡した。ミサはありがとなといって、ニコッと笑って手にとった。その時こうきははっとした。いつもケンカばかりだったため、笑顔を見たのはほぼ初めてだったのである。それと 同時に熱いものがこみ上げてきて、顔が赤くなってきていた。
ぼっーとしてると、ミサはあ?お前何してんのとイライラして聞いてきたため、こうきは、ああ、じゃあなといって去っていった。
みさは、なんなんだアイツとおもっていた。
そこを見ていた兄はミサのところに来て、どうした?何があったんだ?と言った。みさはううん、何もないから大丈夫といった。兄はそうか、といって、今日はどうだい?といった。ミサは兄貴ありがとな。プレゼントもたくさんもらったしみんなも喜んでるみたい。感謝しかないよといって、兄とハグして兄貴と笑い合った


最後まで読んでいただきありがとうございます!
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