本当に好きなのは
新たな出会い
夏休みが終わり、高校1年生の2学期、9月の中旬。
その日は日曜日で学校が休み。
私は自宅で叶多と電話をしてた。
叶多は男友達とどこかに出かけてるみたいだった。
「叶多、どこいってるの?」
『これから俺ラーメンいく!』
「いいな、ラーメン。」
『…』
「叶多?」
いきなり静かになったと思ったら、叶多は男友達と話しているようだった。
いきなり電話を切るのも悪いと思い、ばいばいしたら切ろうと思い、私は叶多を待っていた。
すると…
『もしもし、千加ちゃん?』
知らない声が聞こえてきた。
「え、っと、誰ですか?」
『叶多の友達の、希衣です!こんにちは。いきなりごめんね!』
「こんにちは。いえ、大丈夫です」
『千加?ごめん、びっくりしたよな!希衣くんが喋りたいってゆーからさ!』
叶多が下の名前をくんづけするなんて、珍しいと思った。
これが、希衣くんと話した初めての言葉だった。