本当に好きなのは

そんな、顔も知らない希衣くんとの電話事件の日が終わり、月曜日になった。
昼休み。
叶多は突然、私の教室に来た。

「ちーかー!!」

私を呼ぶ叶多のもとへ行くと、叶多の隣に1人の男の子いたことに気づいた。

誰だろう?なんて考えながらも

「叶多、いきなりどうしたの??」

と声をかけると、叶多より先に、叶多の隣にいた男の子が口を開いた。

「千加ちゃん、こんにちは」

この声聞いたことあるなぁなんて思いながらも、パッと来なくて、私の頭の中ははてなマークでいっぱいだった。

「千加、ほら、昨日電話しただろ?」

昨日……あっ…!!

「はじめまして。足立希衣です」

希衣くんは、爽やかに笑う人だった。

「あ!はじめまして。」

私も希衣くんも深々と頭を下げるから、叶多が

「礼儀正しすぎるでしょ!」

って笑うから、私達もつられて笑う。

< 7 / 9 >

この作品をシェア

pagetop