本当に大切なモノ
 後日、私達は塾が終わると、この日も花音のもとへ行った。親には、塾で自習をすると言ってある。
 今日は、悪霊退治をするために、綿密に打ち合わせをするらしいが、家に花音の姿はなかった。
「どこにいるんだろう。」 
「さぁな。手分けして探すか。」と、山下君が言ったその時、玄関の右側の壁がグニャンと揺らいだ。
「うわっ⁉」
私達が驚いていると、揺らいだ壁に襖が現れて開いた。
「ごめん、ごめん。今、知神様が来てるから気付かなかった。」
「え⁉知神様が来てるの?」
「うん。こっち来て。どうせなら、知神様と一緒にお茶でも飲もう。」
花音がそう言ったとき、また、襖が開いた。
「あ、知神様。もう、帰られるのですか?」
「ええ。」
知神様は本当に無表情な男性だった。
「は、はじめまして。」
私が、知神様に挨拶をすると、はじめまして、と返事をして、七鬼君と向かい合った。
「君は、七鬼君ですね。大きくなりましたね。」
「あ、はい。知っているんですか?」
「ええ。七鬼君のことは幼い頃から知っていますよ。」
知神様は七鬼君と話した後、それでは、とお辞儀をして去っていった。
「すっげー、無愛想だな。」
「あはは。でも、いい神様だよ。」
と、少女が誇らしげに言った。
「よし。じゃあ、打ち合わせをしよっか。」
その後、私達はは花音に御札の使い方などを教わった。
< 9 / 9 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

幸せの静寂
林鼎/著

総文字数/26,451

恋愛(純愛)28ページ

表紙を見る
私とお母さんとお父さんと
林鼎/著

総文字数/666

その他1ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop