ハツコイ
SOS
*****
「おはよ…ママ」
今朝は珍しくアイツが家に居ないので、私は久しぶりにリビングに入りママに挨拶をする。
「おはよう…もう、ママは会社へ行くわね」
そう言って、リビングを出て玄関へ向かい、ハイヒールを履くママ。
「どうして?まだ会社へ行くには早いよ。一緒に朝ご飯、食べよ?」
私はママの腕を掴み引き止めた。
「離して。いつも食べないくせに、何言ってるのっ。食べるなら勝手に一人で食べなさいっ」
ママは私の手を振りほどき、家を出て行ってしまった。
私は薄暗い玄関でポツンとひとり立ちすくむ。
……どうして?
ママはアイツが居る時は、もっとゆっくり家にいるじゃん。
私と二人っきりだと居心地が悪いの?
アイツが居ないとママも居なくなるの?
……………そんなの、、、
ペタン…と冷たいフローリングに座り込む。
自然と涙がポロポロと落ちて止まらない。
私はどうしたらいいんだろう?
私が家を出たら全てが上手くいくのかな?
私は涙を手の甲で拭き取り、ゆっくりと立ち上がった。
そして、荷物をまとめようと自分の部屋に戻ろうとした時、
ガチャ…と玄関のドアが開く音がした。
ママっ⁈
私はママが戻ってきてくれたんだと思い、勢いよく振り返って玄関を見る。
「…………………」
「おはよう。陽菜ちゃん」
ドアの前に立っていたのは、私が望んでいたママではなく、アイツの姿だった。
私は嫌な予感がして、自分の部屋に逃げ込もうと急いで一歩を踏み出したけど
「どこ行くの?」
パシッといとも簡単にアイツに手首を掴まれ、身動きが出来なくなってしまった。
「は…離してっ‼︎」
怖いっ怖いっ怖いっっ‼︎
腕を力一杯に振り回しても、アイツの力には勝てなくてーーー。
「どうして冷たいの?僕たち、親子でしょ?」
ニヤニヤとしながら、更に力を強めるアイツ。
痛いっ‼︎
どうしようっ、どうやってここから逃げたらいいのっ。
ママ、お願いっ!戻って来てっ‼︎
心の中で強く祈るけど、ママが戻って来るなんてことは無くて……。
「あ、アンタなんて家族じゃないっ!ママと結婚だってしてないじゃんっ!」
私は怯えているのを悟られないように、必死に強気の姿勢を保って言った。
「ふ〜ん…。じゃあ、僕たちが結婚しちゃったらいいんじゃない?」
「な、何言ってんの?」
「そうしよう。僕は君のママなんかより、ずっと、ずっと、君の方が好きなんだよ、陽菜ちゃん」
絶対に頭がおかしいよっコイツっ!
♪♪♪〜
アイツの胸ポケから着信音が鳴って、私の手首を掴むアイツの手が少し緩んだ瞬間、私はアイツに思いっきり体当たりをした。
不意をつかれたアイツはよろめき、壁にもたれかかる。
その隙に私は玄関を飛び出して逃げた。
「おはよ…ママ」
今朝は珍しくアイツが家に居ないので、私は久しぶりにリビングに入りママに挨拶をする。
「おはよう…もう、ママは会社へ行くわね」
そう言って、リビングを出て玄関へ向かい、ハイヒールを履くママ。
「どうして?まだ会社へ行くには早いよ。一緒に朝ご飯、食べよ?」
私はママの腕を掴み引き止めた。
「離して。いつも食べないくせに、何言ってるのっ。食べるなら勝手に一人で食べなさいっ」
ママは私の手を振りほどき、家を出て行ってしまった。
私は薄暗い玄関でポツンとひとり立ちすくむ。
……どうして?
ママはアイツが居る時は、もっとゆっくり家にいるじゃん。
私と二人っきりだと居心地が悪いの?
アイツが居ないとママも居なくなるの?
……………そんなの、、、
ペタン…と冷たいフローリングに座り込む。
自然と涙がポロポロと落ちて止まらない。
私はどうしたらいいんだろう?
私が家を出たら全てが上手くいくのかな?
私は涙を手の甲で拭き取り、ゆっくりと立ち上がった。
そして、荷物をまとめようと自分の部屋に戻ろうとした時、
ガチャ…と玄関のドアが開く音がした。
ママっ⁈
私はママが戻ってきてくれたんだと思い、勢いよく振り返って玄関を見る。
「…………………」
「おはよう。陽菜ちゃん」
ドアの前に立っていたのは、私が望んでいたママではなく、アイツの姿だった。
私は嫌な予感がして、自分の部屋に逃げ込もうと急いで一歩を踏み出したけど
「どこ行くの?」
パシッといとも簡単にアイツに手首を掴まれ、身動きが出来なくなってしまった。
「は…離してっ‼︎」
怖いっ怖いっ怖いっっ‼︎
腕を力一杯に振り回しても、アイツの力には勝てなくてーーー。
「どうして冷たいの?僕たち、親子でしょ?」
ニヤニヤとしながら、更に力を強めるアイツ。
痛いっ‼︎
どうしようっ、どうやってここから逃げたらいいのっ。
ママ、お願いっ!戻って来てっ‼︎
心の中で強く祈るけど、ママが戻って来るなんてことは無くて……。
「あ、アンタなんて家族じゃないっ!ママと結婚だってしてないじゃんっ!」
私は怯えているのを悟られないように、必死に強気の姿勢を保って言った。
「ふ〜ん…。じゃあ、僕たちが結婚しちゃったらいいんじゃない?」
「な、何言ってんの?」
「そうしよう。僕は君のママなんかより、ずっと、ずっと、君の方が好きなんだよ、陽菜ちゃん」
絶対に頭がおかしいよっコイツっ!
♪♪♪〜
アイツの胸ポケから着信音が鳴って、私の手首を掴むアイツの手が少し緩んだ瞬間、私はアイツに思いっきり体当たりをした。
不意をつかれたアイツはよろめき、壁にもたれかかる。
その隙に私は玄関を飛び出して逃げた。