ハツコイ
第3章
教師と生徒
*****
「おはよぉ、瀬良先生〜♡」
朝練が終わり、体育館から昇降口へ行こうとしたら、瀬良先生が朝から校門で女子生徒に囲まれていた。
「おぅ、おはよー。お前らスカート短けーぞ」
どうやら、今日は校則違反チェックの当番のようだ。
「えぇ〜、瀬良先生に見てもらいたくて短くしてるんだよぉ」
女子生徒は、瀬良先生の腕などをベタベタと触りながら言っている。
嫌だっ!
瀬良先生に触らないでよっ!
心の中でそう叫ぶけど、私には何の権利もない。
何よ…
鼻の下伸ばしちゃってさ…
いいよっ。
私だってスカート短くしてやるんだからっ。
私は、いつもよりひとつ多くスカートを巻き上げ、校門に立っている瀬良先生に挨拶をしに行った。
「おはようございます。瀬良先生」
「おぅ、おは……お前、何やってんの?」
瀬良先生が私を見て眉間に皺を寄せている。
「挨拶ですけど?」
「そーゆー意味じゃねーよ」
「…どういう意味ですか?」
なに怒ってんの?意味がわからないんですけど。
「スカート短すぎっ、お前、バカなの?」
「っ⁉︎どうして怒るんですか?さっきの人には鼻の下伸ばしてたじゃないですか」
「さっきの子はいいんだよ」
「私のは見るに耐えないって事ですか?」
分かってるっ。
さっきの人や雨宮先生みたいに、スタイルが良くないのは自分で分かってるよ。
分かってるけど、瀬良先生にこっちを見て欲しかったんだもん。
仕方ないじゃんっ。
私が瀬良先生を見上げ睨んでいると、パチンッ…とデコピンされた。
「な、何するんですかっ」
私は額を押さえながら瀬良先生に訴える。
「そういう事じゃねーよ、バーカ」
今度は私の頭をクシャクシャとしながら、ため息を吐く。
「あんま男の目、惹きつけんなよ」
私の耳元で囁いてから肩をポンと軽く叩いて、他の校則違反をしている生徒の方へ行ってしまった。
な、なに?今のっ///
本当にっチャラいんだからっ///
私がドキドキと激しく波打つ胸を落ち着かせようとしていたら、
「どうしたの?顔が赤いよ」
朝練が終わり、制服に着替え終わった牧野くんが背後から声を掛けてきた。
「べ、別にどうもしません」
牧野くんと話しているとファンの皆さんからの冷たい視線を受けてしまうので、私は早足で昇降口へ向かう。
「待ってよ、同じクラスなんだから教室まで一緒に行こうよ」
「嫌です」
もぉっ、何回言ったら分かってくれるの?
放っておいて欲しいんだって。
出来るだけ一緒にいたくないんだってばっ。
牧野くんを放って昇降口で靴を履き替え、猛スピードで教室へ向かう私。
そんな私の後を、牧野くんが爽やかな笑顔で楽しそうについてくる。
当然、私に刺さる女子の皆さんの冷たい視線…。
勘弁してよ……。
教室へ着いて自席に座ると、牧野くんがまた話しかけてきた。
「藤崎さんって、本当、クールだよね」
私が…クール?
口数は少ない方だけど…
最近は瀬良先生に対しては、少し多いかな?なんて思うけど…さ///
私が黙っていると
「そんな藤崎さんが、僕は好きだよ」
ニッコリと飛び切り爽やかな笑顔で、サラッと言った牧野くん。
女子のギャーという悲鳴のような声が、教室に鳴り響く。
「……は?」
なに言ってんの?
こんな爽やかな顔で人をからかうなんて、本当にやめて欲しい。
ほら、女子の皆さんの視線が今までの中で、一番厳しいものになってるじゃない…。
「藤崎さんが本当に鈍感で僕、困っちゃうよ。冗談だと思ってるでしょ?」
こんな人前で、本気で告白する人なんていないと思うんですけど…
「冗談はやめて下さい。迷惑です」
私は女子の皆さんの厳しい視線に耐えられず、それだけ言って教室を出て行く。
教室から出てすぐ、女子の皆さんの私を批判する声がたくさん聞こえてきた。
教室に戻りたくないな…
よし、瀬良先生にも会いたいし、保健室に行って少しサボろう。
「おはよぉ、瀬良先生〜♡」
朝練が終わり、体育館から昇降口へ行こうとしたら、瀬良先生が朝から校門で女子生徒に囲まれていた。
「おぅ、おはよー。お前らスカート短けーぞ」
どうやら、今日は校則違反チェックの当番のようだ。
「えぇ〜、瀬良先生に見てもらいたくて短くしてるんだよぉ」
女子生徒は、瀬良先生の腕などをベタベタと触りながら言っている。
嫌だっ!
瀬良先生に触らないでよっ!
心の中でそう叫ぶけど、私には何の権利もない。
何よ…
鼻の下伸ばしちゃってさ…
いいよっ。
私だってスカート短くしてやるんだからっ。
私は、いつもよりひとつ多くスカートを巻き上げ、校門に立っている瀬良先生に挨拶をしに行った。
「おはようございます。瀬良先生」
「おぅ、おは……お前、何やってんの?」
瀬良先生が私を見て眉間に皺を寄せている。
「挨拶ですけど?」
「そーゆー意味じゃねーよ」
「…どういう意味ですか?」
なに怒ってんの?意味がわからないんですけど。
「スカート短すぎっ、お前、バカなの?」
「っ⁉︎どうして怒るんですか?さっきの人には鼻の下伸ばしてたじゃないですか」
「さっきの子はいいんだよ」
「私のは見るに耐えないって事ですか?」
分かってるっ。
さっきの人や雨宮先生みたいに、スタイルが良くないのは自分で分かってるよ。
分かってるけど、瀬良先生にこっちを見て欲しかったんだもん。
仕方ないじゃんっ。
私が瀬良先生を見上げ睨んでいると、パチンッ…とデコピンされた。
「な、何するんですかっ」
私は額を押さえながら瀬良先生に訴える。
「そういう事じゃねーよ、バーカ」
今度は私の頭をクシャクシャとしながら、ため息を吐く。
「あんま男の目、惹きつけんなよ」
私の耳元で囁いてから肩をポンと軽く叩いて、他の校則違反をしている生徒の方へ行ってしまった。
な、なに?今のっ///
本当にっチャラいんだからっ///
私がドキドキと激しく波打つ胸を落ち着かせようとしていたら、
「どうしたの?顔が赤いよ」
朝練が終わり、制服に着替え終わった牧野くんが背後から声を掛けてきた。
「べ、別にどうもしません」
牧野くんと話しているとファンの皆さんからの冷たい視線を受けてしまうので、私は早足で昇降口へ向かう。
「待ってよ、同じクラスなんだから教室まで一緒に行こうよ」
「嫌です」
もぉっ、何回言ったら分かってくれるの?
放っておいて欲しいんだって。
出来るだけ一緒にいたくないんだってばっ。
牧野くんを放って昇降口で靴を履き替え、猛スピードで教室へ向かう私。
そんな私の後を、牧野くんが爽やかな笑顔で楽しそうについてくる。
当然、私に刺さる女子の皆さんの冷たい視線…。
勘弁してよ……。
教室へ着いて自席に座ると、牧野くんがまた話しかけてきた。
「藤崎さんって、本当、クールだよね」
私が…クール?
口数は少ない方だけど…
最近は瀬良先生に対しては、少し多いかな?なんて思うけど…さ///
私が黙っていると
「そんな藤崎さんが、僕は好きだよ」
ニッコリと飛び切り爽やかな笑顔で、サラッと言った牧野くん。
女子のギャーという悲鳴のような声が、教室に鳴り響く。
「……は?」
なに言ってんの?
こんな爽やかな顔で人をからかうなんて、本当にやめて欲しい。
ほら、女子の皆さんの視線が今までの中で、一番厳しいものになってるじゃない…。
「藤崎さんが本当に鈍感で僕、困っちゃうよ。冗談だと思ってるでしょ?」
こんな人前で、本気で告白する人なんていないと思うんですけど…
「冗談はやめて下さい。迷惑です」
私は女子の皆さんの厳しい視線に耐えられず、それだけ言って教室を出て行く。
教室から出てすぐ、女子の皆さんの私を批判する声がたくさん聞こえてきた。
教室に戻りたくないな…
よし、瀬良先生にも会いたいし、保健室に行って少しサボろう。