ハツコイ
◆◆◆◆◆
「やられましたね」
俺ん家に突然来たリュウが、優雅にコーヒーを飲みながら言った。
「お前、ホントいつも突然来るのな」
「なぜか、雄大がピンチのとき、僕には分かるんですよ」
「こえーな、、、」
「深い友情だと受け取って下さい」
「ばーか」
「ーーーで、処分は出たんですか?」
「ああ、まぁな」
「…そうですか」
【生徒を守るためとはいえ、女子生徒を学校に報告もなく保護するのは間違っている】との判断で、俺は処分として他校へ飛ばされることになった。
俺が他校へ転勤になる理由は生徒達には言わず、一身上の都合ということで全校集会で挨拶をする予定だ。
「あの女、どうにかしないとな…」
「そうですね。あの手の女性はしつこいので、藤崎さんに何をするか分からないですからね」
「藤崎に手は絶対に出させねーよ。あの女を藤崎から遠ざける。二度と関われないようにしておかねーとな」
俺は引き出しの中になおしていた封筒を手に取る。
コレであの女を黙らせてやる。
「このことは、本当に藤崎さんには言わなくていいんですか?」
リュウが心配そうな表情で言った。
「藤崎には何も知らせなくていい。余計な心配をさせたくないからな」
彼女がこのことを知れば、きっと責任を感じてしまうだろう。
俺が彼女を守るために勝手にしたことだ。
彼女に責任はない。
学校側には、藤崎に一切何も言わないで欲しいと懇願してきた。
それを条件に、今回俺は他校へ行くことを受け入れたんだ。
「これから彼女のこと…どうするんですか?」
藤崎のことは、この謹慎中に何度も何度も考えた。
今回、俺は彼女を完璧に守り抜くことが出来なかった。
俺と付き合っていることがバレたら、彼女のイメージに傷がつく。
彼女の将来に俺は重荷なんじゃないか?
苦しめるだけじゃないのか?
俺が教師である限り、公に付き合うことも出来ないし、他校に行くとなると、会う時間も少なくなって寂しい想いをさせるだろう。
近くで彼女を見守ることさえも出来なくなる。
……そんな彼氏って必要あるのか?
それに、俺は施設出身だ。
奨学金という借金もある。
俺は……相応わしくない。
「藤崎とは別れるよ」
それが彼女にとって一番幸せになれる方法だ。
「やられましたね」
俺ん家に突然来たリュウが、優雅にコーヒーを飲みながら言った。
「お前、ホントいつも突然来るのな」
「なぜか、雄大がピンチのとき、僕には分かるんですよ」
「こえーな、、、」
「深い友情だと受け取って下さい」
「ばーか」
「ーーーで、処分は出たんですか?」
「ああ、まぁな」
「…そうですか」
【生徒を守るためとはいえ、女子生徒を学校に報告もなく保護するのは間違っている】との判断で、俺は処分として他校へ飛ばされることになった。
俺が他校へ転勤になる理由は生徒達には言わず、一身上の都合ということで全校集会で挨拶をする予定だ。
「あの女、どうにかしないとな…」
「そうですね。あの手の女性はしつこいので、藤崎さんに何をするか分からないですからね」
「藤崎に手は絶対に出させねーよ。あの女を藤崎から遠ざける。二度と関われないようにしておかねーとな」
俺は引き出しの中になおしていた封筒を手に取る。
コレであの女を黙らせてやる。
「このことは、本当に藤崎さんには言わなくていいんですか?」
リュウが心配そうな表情で言った。
「藤崎には何も知らせなくていい。余計な心配をさせたくないからな」
彼女がこのことを知れば、きっと責任を感じてしまうだろう。
俺が彼女を守るために勝手にしたことだ。
彼女に責任はない。
学校側には、藤崎に一切何も言わないで欲しいと懇願してきた。
それを条件に、今回俺は他校へ行くことを受け入れたんだ。
「これから彼女のこと…どうするんですか?」
藤崎のことは、この謹慎中に何度も何度も考えた。
今回、俺は彼女を完璧に守り抜くことが出来なかった。
俺と付き合っていることがバレたら、彼女のイメージに傷がつく。
彼女の将来に俺は重荷なんじゃないか?
苦しめるだけじゃないのか?
俺が教師である限り、公に付き合うことも出来ないし、他校に行くとなると、会う時間も少なくなって寂しい想いをさせるだろう。
近くで彼女を見守ることさえも出来なくなる。
……そんな彼氏って必要あるのか?
それに、俺は施設出身だ。
奨学金という借金もある。
俺は……相応わしくない。
「藤崎とは別れるよ」
それが彼女にとって一番幸せになれる方法だ。