ハツコイ
◆◆◆◆◆
翌日、俺はあの女を学校から遠く離れた喫茶店へ呼び出した。
あの封筒の中身を餌に。
「まぁ、座って下さい。雨宮先生」
俺は、険しい顔で突っ立ったままの雨宮に「どうぞ」と座るように促す。
雨宮は静かに椅子に座ったかと思うと、キッと俺を鋭い目付きで睨んだ。
「クク…、そんな顔をしては折角の美人が台無しですよ」
「なんでもいいからっ、あの写真を渡しなさいよっ!!」
俺の態度が気に入らなかったのか、雨宮はまたヒステリックを起こす。
「ああ、あの教頭とアンタがイチャイチャしてる写真?」
「声に出して言わないでっ!!」
そう、俺は教頭と雨宮が不倫していることを知り、それをネタに雨宮を脅迫しようと呼び出した。
教頭のやつ俺のこと言えねーよな。
本当はこんなことしたくは無かったんだが…。
リュウに頼んで裏を取ってもらったんだ。
「まぁ、落ち着けよ。話しはこれからなんだからよ」
俺が足を組み直し、ニッコリと笑顔を向けると、雨宮は青ざめた顔でプルプルと震えながら机の上に手を置き、ぎゅっと握りしめた。
「まず、校長に俺と藤崎の写真をFAXしたのってアンタだよね?何であんな写真持ってたんだ?」
「し、知らないわよっ」
「シラを切ったって無駄。アンタが撮った写真ってことは分かってんだから」
俺は机の上にある真っ赤な爪をした雨宮の手を、グッと力一杯に掴み、雨宮の目の前まで上げた。
「痛いっ!離してよっ!!」
「嫌だね。コレ、この真っ赤な爪が証拠。あのFAXの写真にこの爪が写り込んでたんだよ」
雨宮は俺に追い込まれ顔を歪めている。
「あと、藤崎と牧野が教室で抱き合ってる画像を拡散させたのもアンタだよね?」
俺が更に力を入れて雨宮の手を握ると、雨宮は目をギュッと瞑り痛みに耐えながら、
「し、知らないわよっ
と、まだシラを切った。
「へぇ…、まだそんな態度なんだ。なんならこの写真、拡散してやろうか?」
俺は胸ポケットから例の写真を取り出し、雨宮に叩きつける。
その写真を見た雨宮は、ガクガクと震えだした。
「ご、ごめんなさい…。あなたの言う通り、全部私がやりました。どうしたら…許して、くれますか」
泣きながら、すんなり認めた雨宮。
「泣いて謝っても許したくねーけど…」
俺は掴んでいた雨宮の手を乱暴に放り投げ、グッと顔を近づけ耳元で囁く。
「アンタがどっかに行ってくれたら、この写真、無かったことにしてあげてもいーよ」
俺がニコッと笑顔を向けると、雨宮は唇を悔しそうに噛みながら「わかりました」と一言だけ言った。
後日、雨宮は転勤願いを出したそうだ。
翌日、俺はあの女を学校から遠く離れた喫茶店へ呼び出した。
あの封筒の中身を餌に。
「まぁ、座って下さい。雨宮先生」
俺は、険しい顔で突っ立ったままの雨宮に「どうぞ」と座るように促す。
雨宮は静かに椅子に座ったかと思うと、キッと俺を鋭い目付きで睨んだ。
「クク…、そんな顔をしては折角の美人が台無しですよ」
「なんでもいいからっ、あの写真を渡しなさいよっ!!」
俺の態度が気に入らなかったのか、雨宮はまたヒステリックを起こす。
「ああ、あの教頭とアンタがイチャイチャしてる写真?」
「声に出して言わないでっ!!」
そう、俺は教頭と雨宮が不倫していることを知り、それをネタに雨宮を脅迫しようと呼び出した。
教頭のやつ俺のこと言えねーよな。
本当はこんなことしたくは無かったんだが…。
リュウに頼んで裏を取ってもらったんだ。
「まぁ、落ち着けよ。話しはこれからなんだからよ」
俺が足を組み直し、ニッコリと笑顔を向けると、雨宮は青ざめた顔でプルプルと震えながら机の上に手を置き、ぎゅっと握りしめた。
「まず、校長に俺と藤崎の写真をFAXしたのってアンタだよね?何であんな写真持ってたんだ?」
「し、知らないわよっ」
「シラを切ったって無駄。アンタが撮った写真ってことは分かってんだから」
俺は机の上にある真っ赤な爪をした雨宮の手を、グッと力一杯に掴み、雨宮の目の前まで上げた。
「痛いっ!離してよっ!!」
「嫌だね。コレ、この真っ赤な爪が証拠。あのFAXの写真にこの爪が写り込んでたんだよ」
雨宮は俺に追い込まれ顔を歪めている。
「あと、藤崎と牧野が教室で抱き合ってる画像を拡散させたのもアンタだよね?」
俺が更に力を入れて雨宮の手を握ると、雨宮は目をギュッと瞑り痛みに耐えながら、
「し、知らないわよっ
と、まだシラを切った。
「へぇ…、まだそんな態度なんだ。なんならこの写真、拡散してやろうか?」
俺は胸ポケットから例の写真を取り出し、雨宮に叩きつける。
その写真を見た雨宮は、ガクガクと震えだした。
「ご、ごめんなさい…。あなたの言う通り、全部私がやりました。どうしたら…許して、くれますか」
泣きながら、すんなり認めた雨宮。
「泣いて謝っても許したくねーけど…」
俺は掴んでいた雨宮の手を乱暴に放り投げ、グッと顔を近づけ耳元で囁く。
「アンタがどっかに行ってくれたら、この写真、無かったことにしてあげてもいーよ」
俺がニコッと笑顔を向けると、雨宮は唇を悔しそうに噛みながら「わかりました」と一言だけ言った。
後日、雨宮は転勤願いを出したそうだ。