ハツコイ
頑なな心
◆◆◆◆◆
「さっびー…」
俺は両手をジャケットのポケットに入れ、肩をすぼめながら夜道を歩く。
今日は俺の歓迎会だったんだけど…
学校の先生ってあんなにも酒に弱いものなのか?
俺の歓迎会をしてくれるのは嬉しいけど、もうちょっと普通は呑めるだろ?
皆んな酔ってヘロヘロになってたけど、俺はまだ全然、呑み足りねーよ。
…しゃーね、リュウのところにでも呑み直しに行くか。
俺はコンビニで酒とツマミを買って、親友である神部 龍(かんべ りゅう)の家へ向かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
「相変わらずデケーな…」
久しぶりに見るリュウの家を見て呟く。
デケー門扉に何台もの監視カメラ。
車を何台停めれるんだよってくらいの車庫。
ガチャン…という音と共にデカイ門扉が自動で開く。
俺は監視カメラに向かって片手を挙げ、挨拶をしてから門をくぐった。
木々に囲まれた長いアプローチを歩いて玄関に着くと、リュウとその子分達が俺を出迎えてくれる。
「いらっしゃい、瀬良先生」
長めの黒髪に眼鏡の男が俺に向かって言った。
「うるせーよ、リュウ」
俺はリュウに軽く肩パンを入れる。
「いらっしゃいやしっ、雄大さんっ」
子分達が俺に頭を下げて言った。
…そう、ここは、神部組。
まぁ、平たく言えばヤクザの家。
リュウはこの神部組の三代目だ。
「俺にまで挨拶いいっすよ」
「いえっ、雄大さんは三代目の大事な客人ですからっ」
そう言って子分達は深々と頭を下げた。
「ヤス達はもう下がって下さい」
リュウが言うと「へいっ、失礼しますっ」と子分のヤス達は素早く去っていく。
「雄大はとりあえず、中に入って下さい」
リュウは俺を自分の部屋に案内した。
俺は部屋に入り、大きな窓際にあるテーブルの上にさっきコンビニで買ってきた酒を置く。
「歓迎会だったんだけど、全然、呑み足りなくてよ。リュウ、付き合えよ」
「フッ、いいですよ。雄大は、酒豪ですからね」
「缶ビールで悪いな」と言ってリュウに渡してから、カシュッと自分の缶ビールを開ける。
カツンッ…とお互いの缶を軽く当ててからゴクゴクとビールを飲んだ。
「ーーーで、どうだったんですか?学校のほうは」
「あー……、なんか気になる女がいた」
「雄大が一目惚れなんて珍しいですね」
「バーカ、ちげーよ。なんか危うい女」
「どういう意味ですか?」
「顔色が悪くって、やたらに体重が軽いんだよな。アイツ、なんか抱えてるんじゃねーかな?」
「それは気になりますね…。雄大はどう考えてるんですか?」
「…家庭に何かあんじゃねーかと思ってる。これは、俺の勘なんだけどよ。なんかアイツ、俺と同じ匂いがするんだよな」
「…親ですか?」
「ああ」
「恩師との約束、守って下さいよ」
「わかってるよ」
俺はビールをゴクゴクと一気に飲み干した。
「さっびー…」
俺は両手をジャケットのポケットに入れ、肩をすぼめながら夜道を歩く。
今日は俺の歓迎会だったんだけど…
学校の先生ってあんなにも酒に弱いものなのか?
俺の歓迎会をしてくれるのは嬉しいけど、もうちょっと普通は呑めるだろ?
皆んな酔ってヘロヘロになってたけど、俺はまだ全然、呑み足りねーよ。
…しゃーね、リュウのところにでも呑み直しに行くか。
俺はコンビニで酒とツマミを買って、親友である神部 龍(かんべ りゅう)の家へ向かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
「相変わらずデケーな…」
久しぶりに見るリュウの家を見て呟く。
デケー門扉に何台もの監視カメラ。
車を何台停めれるんだよってくらいの車庫。
ガチャン…という音と共にデカイ門扉が自動で開く。
俺は監視カメラに向かって片手を挙げ、挨拶をしてから門をくぐった。
木々に囲まれた長いアプローチを歩いて玄関に着くと、リュウとその子分達が俺を出迎えてくれる。
「いらっしゃい、瀬良先生」
長めの黒髪に眼鏡の男が俺に向かって言った。
「うるせーよ、リュウ」
俺はリュウに軽く肩パンを入れる。
「いらっしゃいやしっ、雄大さんっ」
子分達が俺に頭を下げて言った。
…そう、ここは、神部組。
まぁ、平たく言えばヤクザの家。
リュウはこの神部組の三代目だ。
「俺にまで挨拶いいっすよ」
「いえっ、雄大さんは三代目の大事な客人ですからっ」
そう言って子分達は深々と頭を下げた。
「ヤス達はもう下がって下さい」
リュウが言うと「へいっ、失礼しますっ」と子分のヤス達は素早く去っていく。
「雄大はとりあえず、中に入って下さい」
リュウは俺を自分の部屋に案内した。
俺は部屋に入り、大きな窓際にあるテーブルの上にさっきコンビニで買ってきた酒を置く。
「歓迎会だったんだけど、全然、呑み足りなくてよ。リュウ、付き合えよ」
「フッ、いいですよ。雄大は、酒豪ですからね」
「缶ビールで悪いな」と言ってリュウに渡してから、カシュッと自分の缶ビールを開ける。
カツンッ…とお互いの缶を軽く当ててからゴクゴクとビールを飲んだ。
「ーーーで、どうだったんですか?学校のほうは」
「あー……、なんか気になる女がいた」
「雄大が一目惚れなんて珍しいですね」
「バーカ、ちげーよ。なんか危うい女」
「どういう意味ですか?」
「顔色が悪くって、やたらに体重が軽いんだよな。アイツ、なんか抱えてるんじゃねーかな?」
「それは気になりますね…。雄大はどう考えてるんですか?」
「…家庭に何かあんじゃねーかと思ってる。これは、俺の勘なんだけどよ。なんかアイツ、俺と同じ匂いがするんだよな」
「…親ですか?」
「ああ」
「恩師との約束、守って下さいよ」
「わかってるよ」
俺はビールをゴクゴクと一気に飲み干した。