ハツコイ
◆◆◆◆◆
翌朝、俺は黒のベンツでリュウに学校の近くまで送ってもらった。
「さんきゅ、リュウ。服はまた返しに行くよ」
昨夜は、そのままリュウの家に泊まったので、今朝はリュウの服を着て出勤している俺。
「面倒なので差し上げます。じゃ、頑張って下さい」
「そ?じゃ、遠慮なく。あと、言われなくてもわかってるよ、じゃな」
俺は車から降りて、後部座席に座っているリュウに軽く挨拶をしてから校門へ向かう。
それにしても、なんで来たばっかりの俺が校門を開けないといけねーんだよ。
ホント、ついてないぜ。
ーーーん?もう、誰か校門にいるじゃねーか。
誰だよ、はえーな。
ん?あれって…………
「お前、こんな朝早くに何してんの?」
俺は、校門の前で寒そうに待っている藤崎に声をかけた。
「…瀬良先生こそ」
藤崎は気怠そうに俺を見上げながら言う。
「俺は今日、当番だから早いんだよ」
俺はワザと欠伸をしながら校門の鍵を開けた。
今日も顔色が悪いな、コイツ。
こんな時間に学校に来るなんて、また眠れなかったのか?
やっぱ、家に何か問題がありそうだよな。
コイツってば、俺の番号を教えたのにかけてこねーし、どうすっかな?
俺が色々考えながら鍵をポケットにしまっていると、
「クシュン…」
藤崎が小さなクシャミをしたので、俺は寒そうにしている藤崎の白くて綺麗な頬に手を当てた。
「は?お前、何時からここにいるんだよ。スゲー冷たいじゃん」
「ーーーっ///」
「ぷっ、なに赤くなってんの?昨日は青で今日は赤かよ。忙しーヤツだな」
「ほっといて下さい///」
顔を赤くして固まってしまう彼女が可愛くて、ついからかってしまった。
……可愛い?
何言ってんだ、俺?
生徒にいらない感情を持ってんじゃねーぞ。
そんなことより、コイツ、マジで顔色が悪いな。
とりあえず、体を温めないと…。
俺は藤崎を保健室へ連れて行き、お湯を沸かして、温かいココアを作り飲ませる。
「ーーったく、お前ってホント手がかかると言うか…」
はぁ…と溜息をつき、俺はコクンとココアを一口飲んだ。
さぁ、どうすっかな…。
コイツ、俺の事を信用してないのか全然連絡してこねーし…
どうやったら心を開いてくれる?
何か隠してるのは確実だと思うけど、コイツ自身が助けを求めて来ない限り、俺は手出しが出来ない。
「放っておいたらいいじゃないですか」
藤崎が少し眉間に皺を寄せながら言った。
「ホント可愛くない女。何をそんなに強がってんの?」
「別に強がってなんていません」
マジで、頑ななヤツだな。
少し挑発して喋らせてみるか?
「へぇ、俺には強がってように見えるし、構って欲しいって顔にも見えるけど?」
「気のせいじゃないですか?」
顔色ひとつ変えずに返事をした藤崎。
おいおい、コイツ、マジで女子高生かよ?
しっかりし過ぎてんじゃねーか?
でも…
本当のコイツは、こんなクールなヤツじゃないと思うんだけどな。
まずは、コイツとの距離を縮めて俺の事を信用してもらうしかないか…。
「あっそ?まぁ、お前がそう言うんだったらいいけど、何かあったときはすぐに言えよ」
「別に何もありませんから」
少し眉を下げて言った藤崎。
その顔、俺には「助けて欲しい」って顔に見えるけど?
翌朝、俺は黒のベンツでリュウに学校の近くまで送ってもらった。
「さんきゅ、リュウ。服はまた返しに行くよ」
昨夜は、そのままリュウの家に泊まったので、今朝はリュウの服を着て出勤している俺。
「面倒なので差し上げます。じゃ、頑張って下さい」
「そ?じゃ、遠慮なく。あと、言われなくてもわかってるよ、じゃな」
俺は車から降りて、後部座席に座っているリュウに軽く挨拶をしてから校門へ向かう。
それにしても、なんで来たばっかりの俺が校門を開けないといけねーんだよ。
ホント、ついてないぜ。
ーーーん?もう、誰か校門にいるじゃねーか。
誰だよ、はえーな。
ん?あれって…………
「お前、こんな朝早くに何してんの?」
俺は、校門の前で寒そうに待っている藤崎に声をかけた。
「…瀬良先生こそ」
藤崎は気怠そうに俺を見上げながら言う。
「俺は今日、当番だから早いんだよ」
俺はワザと欠伸をしながら校門の鍵を開けた。
今日も顔色が悪いな、コイツ。
こんな時間に学校に来るなんて、また眠れなかったのか?
やっぱ、家に何か問題がありそうだよな。
コイツってば、俺の番号を教えたのにかけてこねーし、どうすっかな?
俺が色々考えながら鍵をポケットにしまっていると、
「クシュン…」
藤崎が小さなクシャミをしたので、俺は寒そうにしている藤崎の白くて綺麗な頬に手を当てた。
「は?お前、何時からここにいるんだよ。スゲー冷たいじゃん」
「ーーーっ///」
「ぷっ、なに赤くなってんの?昨日は青で今日は赤かよ。忙しーヤツだな」
「ほっといて下さい///」
顔を赤くして固まってしまう彼女が可愛くて、ついからかってしまった。
……可愛い?
何言ってんだ、俺?
生徒にいらない感情を持ってんじゃねーぞ。
そんなことより、コイツ、マジで顔色が悪いな。
とりあえず、体を温めないと…。
俺は藤崎を保健室へ連れて行き、お湯を沸かして、温かいココアを作り飲ませる。
「ーーったく、お前ってホント手がかかると言うか…」
はぁ…と溜息をつき、俺はコクンとココアを一口飲んだ。
さぁ、どうすっかな…。
コイツ、俺の事を信用してないのか全然連絡してこねーし…
どうやったら心を開いてくれる?
何か隠してるのは確実だと思うけど、コイツ自身が助けを求めて来ない限り、俺は手出しが出来ない。
「放っておいたらいいじゃないですか」
藤崎が少し眉間に皺を寄せながら言った。
「ホント可愛くない女。何をそんなに強がってんの?」
「別に強がってなんていません」
マジで、頑ななヤツだな。
少し挑発して喋らせてみるか?
「へぇ、俺には強がってように見えるし、構って欲しいって顔にも見えるけど?」
「気のせいじゃないですか?」
顔色ひとつ変えずに返事をした藤崎。
おいおい、コイツ、マジで女子高生かよ?
しっかりし過ぎてんじゃねーか?
でも…
本当のコイツは、こんなクールなヤツじゃないと思うんだけどな。
まずは、コイツとの距離を縮めて俺の事を信用してもらうしかないか…。
「あっそ?まぁ、お前がそう言うんだったらいいけど、何かあったときはすぐに言えよ」
「別に何もありませんから」
少し眉を下げて言った藤崎。
その顔、俺には「助けて欲しい」って顔に見えるけど?