10年経っても
ここにいても仕方ない、と思って自分のクラスに帰ろうとしたら、辺見に呼び止められた。

『ねーねー、毎日毎日飽きずにうちのクラス来るけど、ほんとは高木じゃなくて、他に用があったりしないの?』

『べつにないよ…私はリナと話そうと思って…』

クラスでの居場所がないんだってば…

あんたみたいにお気楽じゃないんだって…

そう言いたかったけど、なんにも知らないコイツにそんなこと言う義理はない。
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