10年経っても
言葉に詰まって黙ってたら、追い打ちをかけるように辺見が

『誰か好きな人がいるとかさぁー』

とかぬかしやがった。

私は、顔が真っ赤になった。なんにもわかってないコイツにそんなこと言われて、凌辱された気分だ。

『そんなわけ…ないでしょバカ!!』


不覚にも泣きそうだ…
涙を見られないように、下を見て、ヤケクソで辺見の足に蹴りをいれて走って逃げようとした。

『おいおい、ちょっと…!』

逃げようとする私の腕を掴んで辺見が言う。
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