10年経っても
リナの何気ない一言が、頭の中ではじけて私はどうにかしちゃったみたいだ。

今まで、何の気なしに接していたアイツが、私のことを好きかもしれない?


ひとつ大きく息を吸って、私は言った。

『ないない。ほんと単に毎日話すだけだよ。アイツも暇なんでしょ。』

リナはまだ何か言いたげだったけど、それを遮るようにして

『プリント完成!さ、これコピって帰ろう!もう期末テスト近いんだから、帰って勉強しないと!』

そう言って私は、赤くなってるであろう顔を見せないようにして席を立った。

リナはまだ『ほんとに~?なんもないの~?ねぇねぇ~』とうるさい。
私はそれを軽く流しつつ、生徒会室の端にあるコピー機へと向かった。
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