Basket Ball Club2〜ずっと大好き〜
「おいっ!未来っ!」
直哉が私を身から離し、私の体を揺さぶる。
「えっ!?あっ!?ごめんっ!!!」
「いや…いいけど、聞いてた?」
直哉は私の顔を覗き込みながら言った。
「…うん、私こそごめん…」
「え…?」
「私…直哉にいい答えは出せない…」
私は心の中から何か熱いものが込み上げてきた。
「おいっ!何で泣いてんだよっ!いい答えなんて求めてねぇーよっ!俺はお前に気持ち伝えられただけで十分だってっ!だから泣くなよっ!」
私は気づけば涙が流れていた。
「ごめん…本当にごめん…でも、直哉のこと…友達としては大好きだよ。」
私はそう言って直哉を軽く抱きしめた。
直哉は私の行動にびっくりしていただろう。
私は本当に心から直哉の気持ちが嬉しかったから。
「ちょっ!未来っ!?」
「本当にごめんね…。」
私は直哉の耳元でそう言って、離れて涙を拭きながら教室を出た。
教室を出た私はふと思った。
今が放課後でよかった…。
放課後じゃなかったら…どうなってたか…。
―私はまだ気づかなかった。
この一部始終をあの人に見られていたなんて…。