Basket Ball Club2〜ずっと大好き〜
-先輩-
俺は雨の中、ゆっくりと向かう。
未来の家に。
今日は未来が学校に来ていなかったから心配して電話したら、目が腫れてるからって単純な理由で…
「くくくっ…」
俺は思わず笑ってしまう。
未来の家に着いた頃には、雨は上がっていて、空には綺麗な虹が掛かっていた。
未来と一緒にこの空を見上げたいなぁ、なんて考えながら呼び鈴に手を掛ける。
“ピンポーン”
雨が上がってすぐの住宅地には人影はなく、インターホンが静かに鳴り響く。
『はい?』
「あ、高倉ですけど。」
『あ、慶太くん?』
「はい、未来さん居ますか?」
『未来ねぇー、お友達の所に行ちゃってるのよー』
「…はぁ…そうですか…わかりました。」
気の抜けた返事…。
俺は未来が居ないことに結構ショックを受けた。
俺…ちゃんと行くって言ったのに…
あいつ忘れてんのか?ぜってぇー許さねぇー…!!
『ごめんなさいねぇ。もうすぐで帰ってくると思うから家で待っとく?』
「あ、いえ、外で待たせてもらいます。」
『わかったわ。』
「はい、失礼します。」
俺は傘を横に立てかけ、玄関前に座る。