艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
いつか駒宮室長に連れて行ってもらった駅の近くの商店街にある居酒屋に私は1人でいた。
なんだか今日は飲みたい気分だ。
カウンター席でビールジョッキに焼き鳥とそれから明太子の入った卵焼き。
周囲は私のお父さんよりも少し年上のダンディなおじさまが数人。店内を見渡してみても女性は女将さんと私だけのようだ。
もう女子力なんてゼロでいいや。
っていうか、もう女子ですらなくていいや。
自暴自棄ってきっとこんなことを言うんだろう。
「おじちゃん、ジョッキでもう一杯、生ビール下さい」
カウンターに座り、空いたグラスを高く持ち上げ、大きな声で伝える。
だけど、そのビールジョッキを誰かに取り上げられてしまった。