艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
急にビールジョッキが軽さを覚えて、酔いの回ってきた私には状況が掴めない。

目の前では、店主のおじちゃんが困った顔を浮かべて笑っている。

ようやく私の後ろにいる誰かにビールジョッキを取り上げられたことに気が付いて振り返る。


するとそこには、私を自暴自棄にさせた原因である駒宮室長が立っている。


右手には、さっきまで私が手にしていたはずのビールジョッキ。

表情はいつもの不愛想なままで、何考えているのかなんて、頭の回っていない私には全く分からない。


ううん、今は、そんなこと分かりたくもない。


「明日の仕事に響くぞ。そのくらいにしておけ」

ぶっきらぼうに口にした駒宮室長は、私の座っているカウンター席の隣に我が物顔で腰を下ろす。

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