艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
『駒宮室長、今日が誕生日だったらしいよ』

何度も書き直して郁ちゃんに送ったメールは、駒宮室長の誕生日を教えるだけの内容になってしまった。


郁ちゃんに後ろめたい気持ちが胸にいっぱいになる。

だけど、駒宮室長とおでん屋で会ったことも、一緒にビールを飲んだことも、それからキスされたことも、郁ちゃんには教えたくない。

郁ちゃんと駒宮室長が隣同士で並んで歩く姿を見て、嫌だと思ってしまったこと、絶対に言えない。


そこまで考えて、私は気が付いてしまった。


私、駒宮室長のことが好き。

そう気付いた瞬間、今までの気持ちがストンと腑に落ちる。

それと同時に、自己嫌悪が襲ってきてしまう。


最悪だ、私。

郁ちゃんが駒宮室長のこと好きだって知っているのに……。

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