艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
「なぁんだ。好きな女性からのプレゼントかと思ったのにぃ」

メンバーの誰かが拍子抜けした声をあげながらデスクに戻っていくと、それに続くように他のスタッフも各自作業に戻っていく。


そんなメンバーの背中に、駒宮室長が指先で『ジョニー』を一撫ですると、一言だけ言葉を呟く。

「好きな女かぁ。まぁ、そんな感じだ」

えっ?!

駒宮室長の呟いた一言に私は息が止まりそうになる。


立ち止まってしまったのは、メンバーの中で私だけ。

思い切り振り返ると、駒宮室長と視線がぶつかってしまう。


一瞬、ほんの一瞬だけど、駒宮室長は私の方を見て、小さく微笑んで見せる。

さっきから一気に加速した心臓は、どうやらしばらくは落ち着きそうにない。



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