艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
「ごめんなさい!!祥子さん、郁ちゃん。ちょっと会社で呼ばれたから、言ってくる」

「えぇっ!!こんな時間に?!」


トイレから戻った私の言葉に、郁ちゃんと祥子さんは驚きの声をあげるとともにお互い顔を見合わせる。

「う…うん。明日の朝一に提出しないといけない資料のデータが見つからないって」


そんなの真っ赤な嘘。

だけど、私はこれ以上、郁ちゃんと同じこの場にいることが辛すぎたんだ。


アルコール飲んでなくてよかった。

いつもよりヒール低めのものを履いてきてよかった。


私は駅に向かう人たちに逆走するように、彼らの間をすり抜けながら早足で会社に向かう。
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