艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
新規事業開発室の扉を開くと、残っていたのは駒宮室長たった一人。

「佐々田?!どうした、こんな時間に?!」

真剣な様子でパソコン画面を眺めていた様子の駒宮室長は、私の姿に驚きの表情を浮かべている。


「……ちょ、ちょっと。いい企画思い浮かんだので。戻ってきちゃいました」

はははって、上擦った声でぎこちなく笑って見せる。

駒宮室長が残っているなんて思ってもみなかった私の心臓が急加速している。


いい企画が思い浮かんだなんて、真っ赤な嘘。

だけど、なんだか逃げ帰るわけにもいかなくて、私は自分のデスクのパソコンをおもむろに起動させる。


駒宮室長は、そんな私の様子を目で追うと、いつもの不愛想な表情を一瞬崩して、ふっと笑って見せた。

「佐々田の企画、楽しみにしてる」

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