艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
駒宮室長の言葉は私の胸をキュンと締め付ける。

なんだか私、今とても泣きたい気分だ。


「駒宮室長も残業ですか?」

「あぁ、」


泣きだしたい気分を下唇を噛みしめて、ぐっと堪える。

私の気持ちを悟られないようにと、無理矢理笑顔を作って駒宮室長に尋ねる。

駒宮室長は、私の様子に少しだけ不思議そうに小首を傾げると小さく返事をしてくれた。

私がコートを脱いでデスクの前に座る頃には、駒宮室長は難しい顔を浮かべてパソコン画面を睨んでいる。

そんな表情だって、やっぱりカッコいいと思えてしまう。

以前は緊張と恐怖だけしか感じなかった2人きりの残業時間も、今ではどこかでこの時間が続けばずっと続けばいいのにと思ってしまっている自分がいる。


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