艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
二人きりの新規事業開発室に、軽快なカーソルの音だけがやけに響きわたる。
いい企画なんて思い浮かんだわけじゃないけれど、私は残っていた雑務を片付ける。
ふと、私の視界に小さく欠伸をして鼻根を軽く摘まんでいる駒宮室長の姿が入ってくる。
鼻根を軽く摘まむ癖は、駒宮室長が疲れている時に見せるサインだ。
一緒に仕事をするようになって、駒宮室長の癖も覚えてしまった。
疲れた時に、鼻根をつまむ癖はもちろん、喫煙所に行く前には、必ず一度だけ大きく伸びをすること癖も。
それから、バリトンボイスの色気のある声で返事をするトーンで機嫌の良し悪しまでなんとなく分かるようになった。
こんなこと全部郁ちゃんには、教えたくないと思ってしまう。
ううん、郁ちゃんだけじゃない。私以外の誰にも、こんなこと教えたくなんてない。
ついさっき、駒宮室長に認められる部下になりたいと思ったのに、駒宮室長の姿を見てしまうと、そんな想いは一気に崩れてしまう。
もしかしたら、私の想いはもう引き返すことなんて出来ないのかもしれない。
いい企画なんて思い浮かんだわけじゃないけれど、私は残っていた雑務を片付ける。
ふと、私の視界に小さく欠伸をして鼻根を軽く摘まんでいる駒宮室長の姿が入ってくる。
鼻根を軽く摘まむ癖は、駒宮室長が疲れている時に見せるサインだ。
一緒に仕事をするようになって、駒宮室長の癖も覚えてしまった。
疲れた時に、鼻根をつまむ癖はもちろん、喫煙所に行く前には、必ず一度だけ大きく伸びをすること癖も。
それから、バリトンボイスの色気のある声で返事をするトーンで機嫌の良し悪しまでなんとなく分かるようになった。
こんなこと全部郁ちゃんには、教えたくないと思ってしまう。
ううん、郁ちゃんだけじゃない。私以外の誰にも、こんなこと教えたくなんてない。
ついさっき、駒宮室長に認められる部下になりたいと思ったのに、駒宮室長の姿を見てしまうと、そんな想いは一気に崩れてしまう。
もしかしたら、私の想いはもう引き返すことなんて出来ないのかもしれない。