艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
電話越しに郁ちゃんと喋っている駒宮室長は、何だかとても声が弾んでいるように思えてくる。
「どうしたの?まどかちゃん」
「いえ、なんでも……」
萩原さんが私の顔を覗き込みながら心配そうに声をかけてくれたけれど、私は張り付けた笑顔で平気な顔するのが精いっぱいだ。
心が波立ち騒いで、しばらく落ち着きそうにない。
私は駒宮室長のただの部下なのだから。
そう言い聞かせるけれど、胸の奥がざわざわと音を立てる。
その場に居ると、駒宮室長と郁ちゃんの会話が気になって仕方ない私は、大きくため息を吐きながらコーヒーを買いに自販機に向かった。