艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
報告:バカヤロー部下、頑張ります
「郁ちゃんは、私が送っていくから。まどかは気を付けて帰ってね」
仲直りの乾杯から約2時間後。
祥子さんはやれやれといった表情を浮かべて笑いながら、私に手を振る。
お酒に弱いはずの郁ちゃんが、私たちが制止するのも笑顔でかわしながら、ビールを驚くほど飲んだ。
私も郁ちゃんのペースに合わせるようにして呑んだけれど、先に酔いつぶれたのは郁ちゃんだった。
居酒屋を出る頃には足取りだって危なっかしい郁ちゃんを、結局祥子さんが送ってくれることになったのだ。
「しょ、祥子さーん。私はもう、ジョナサンだけで十分です。もう、満足です」
冷たいビル風が吹き抜ける駅前の歩道を歩きながら、気持ちよく酔っぱらった郁ちゃんが祥子さんに絡んでいく。