艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
一瞬、時間が止まったかと思った。
自分の耳を疑ってしまう。
まさか、私と同じ気持ちでいてくれたなんて思いもしなくて、なんだか信じられないという気持ちでいっぱいだ。
「嘘……」
両手で口元を押さえながら思わず出てしまった言葉。
そんな私の様子に駒宮室長は小さく肩を揺らす
「俺は、嘘はつかない。冗談だって言わない。前にも言ったはずだ」
優しく微笑まれた駒宮室長の言葉は何よりも力強い。
その力強さが、駒宮室長の言葉が嘘ではないということを教えてくれる。
一気に嬉しさが胸の奥底からこみ上げてくると、私は急に視界がぼやけ始める。
気が付いた時には、涙が頬を伝っていた。
その涙を駒宮室長の細長い指がすくってくれる。