艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
「あっ、ありがとう。姪が喜ぶ」

駒宮室長が嬉しいんじゃなくて、やっぱり姪っ子さんが喜ぶんだ……。

もちろん、まどかさんから話は聞いていた。

けれど、実際に戸惑いながら受け取ってくれた駒宮室長の反応を目の辺りにすると、もっと他のプレゼントが良かったんじゃないかなって考えさえ思い浮かんでくる。


「本当にありがとう。じゃあ、俺はこれで」

白い息を吐きながら、もう一度お礼を伝えてくれた駒宮室長は駅の方に向かって歩き出す。



「駒宮室長!!」

私は思わず、その背中に向かって叫ぶように声をかけてしまった。

驚いたように目を見開いて振り返ったのは、駒宮室長。

ううん、それだけじゃなくて私たちの周りを歩いていた人たちさえ驚きと好奇な眼差しを私と駒宮室長に向ける。


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