艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
「駒宮室長の好きな人って、もしかしてまどかさんですか?」
隣に並んで歩く駒宮室長はホワイトムスクの香水に交じってほんのり煙草のほろ苦い匂いがする。
駅までの道のりなんて、あっという間に到着してしまう距離だから時間なんて限られている。
だから私は、一番尋ねたかった質問を投げかける。
「あぁ」
「やっぱり……」
私の質問に小さく頷いた駒宮室長が、私の反応に一瞬驚いた表情を浮かべる。
「まどかさんには、もう伝えたんですか?」
「いや。まだだ。きっと佐々田は、大切なお友達の協力が最優先だろうから」
駒宮室長は、小さく苦笑いを浮かべる。
大切なお友達が私のことを言っているんだとすぐに分かって、私は胸が苦しくなる。