艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
渡部さんと萩原さんは、アルコールの力も手伝って、私を間に挟んで饒舌に話しを続ける。

「ほら、溝口さんって駒宮室長の同期って話だし」

あぁ、祥子さんもそんなこと言ってたっけ。

郁ちゃんや祥子さんと行ったスパニッシュバルでの話をなんとなく思い出していると、急にアルコールのおかげでご機嫌な萩原さんが、私の肩を引き寄せる。


「だけど、俺たちはまどかちゃんでよかったよ。」

ご機嫌にそう言って、にっこりと微笑んで見せる。


本当は嬉しいはずの言葉も、祥子さんの話を聞いた後ではなんとなくテンションも上がってこない。

けれど、私は萩原さんの笑顔にあわせて、無理矢理口角をあげて微笑んで見せる。


< 31 / 262 >

この作品をシェア

pagetop