艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
ピピピピ

タイミングが良いのか、悪いのか。

祥子さんの言葉の意味を知りたくて尋ねようとした言葉は、祥子さんのスマホの着信音にかき消されてしまう。


「ごめん。店長から電話だ。もう戻らなきゃ……」

祥子さんは申し訳なさそうに私に頭を下げながら、残っていたコーヒーを急いで飲み干す。


「まどか、がんばってね」

テラス席から立ち上がると、祥子さんは私ににっこりと笑ってみせる。


「ありがとうございます。祥子さん」

私は祥子さんに笑顔を返すと、祥子さんは私の肩を優しく2回ほど叩く。


私の方を何度も振り返りながら、祥子さんはビルの中へと名残惜しそうに走り去っていく。

私はそんな祥子さんの背中に手を振ったのだった。

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