艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
「それで、話って何?」
祥子さんが尋ねた一言に、郁ちゃんはようやく決心したようだ。
私と祥子さんの向かいに座る郁ちゃんはわざとらしく座り直し、姿勢を正すと咳払いを何度かする。
「あの、私……。実は、3次元で好きな人が出来ました」
言い終えると同時にポッと頬を一瞬にして真っ赤に染めた郁ちゃん。
「えぇえぇぇ―――!!」
私も祥子さんも、声を揃えて驚きの声をあげる。
その声はスパニッシュバルいっぱいに響き渡るほどの声だったらしく、店内のお客さんが一斉に私たちの方に注目する。
他のお客さんの視線が痛くて、私たちは苦笑いしながら思わず肩を竦めた。