艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
「こんな感じの所に来るんですね」

ビールを飲みながら店内をぐるりと見渡し、駒宮室長に話しかける。

職場を出た駒宮室長の表情は、いくらか穏やかで柔らかい気がする。


「週2回はここだ」

まぁ、口調はいつもと変わらないぶっきらぼうなんだけど。

って、週2回ここで食べるって、自炊しないんだろうか。
ここの店のおいしさなら週に2回も通いたくなるのも分からないでもないのだけれど。


「自炊は、しないからな」

やっぱり私の考えはお見通しみたいだ。


ちらりと、ビールをおいしそうに飲んでいる駒宮室長の横顔を覗く。

この店でビールを飲んでいる駒宮室長も似合わなくはないけれど……。


「駒宮室長は、オシャレなパスタとかばっかり食べているのかと思ってました」

駒宮室長ほどのイケメンで仕事の出来る男は、いかにも高級そうなガラス張りのお店で、ワインを片手に飲んでいる姿を一人で勝手に想像してしまっていたから。


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