艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
「なんだ、それ」

私の言葉に、駒宮室長が切れ長の涼しげな瞳を細めて笑った。

いつもの不愛想な表情を崩したその笑顔は、どこかに幼さも垣間見える。


わ、笑った。

駒宮室長が笑った。


不意打ち過ぎる駒宮室長の笑顔に、私の鼓動が一気に跳ね上がる。


郁ちゃんが言っていたように、確かに駒宮室長の笑顔は破壊力抜群らしい。

思わず見惚れてしまった私に気付いた様子の駒宮室長は、すぐに表情を引き締めると、一度だけ小さく咳払いして見せる。

だけど、私の鼓動はなかなか落ち着くことが出来ずにいる。

私はどうにか自分を落ち着かせようと、グラスに残っていたビールを一気に流し込んだ。

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